blog

Report|OSO SFLウィンターキャンプ2021-22

OSO SFL(オソ・エスエフエル)は2021年12月27、28日と2022年1月5、6日、「OSO SFLウィンターキャンプ2021-22」を開催致しました。

年末年始にも関わらず、約70名の選手に参加いただきました。
レポートではキャンプの様子をお伝え致します。

(文=OSO SFL代表・隈崎大樹)

キャンプ概要
■東京プラン
2021年12月27日:小学1〜6年生→トレーニングのみ
2021年12月27日:小学3〜6年生→セレクションのみ
■神奈川プラン
2022年1月5、6日:小学1〜2年生→トレーニングのみ
2022年1月5、6日:小学3〜6年生→トレーニングとセレクション

東京プラン|2021年12月27、28日

27日|トレーニングメイン。他チームの選手とプレーしながら、フットボールの楽しさを感じてもらう

キャンプ初日は、トレーニングメイン。1〜6学年を2学年ずつのグループに分け、2セッションのトレーニングを行いました。

1セッション目のテーマは「スペースの認知」。
プレーで常に求められる「周りを見る」。ただ、漠然と見る動作を行うばかりでは、優位にプレーができません。
コントロールやパス、そしてドリブルといったアクションを行う前に、「見るべきものの理解」と「認知」はフットボールでは必要不可欠です。

しかし、小学生にいきなり「認知とは……」と言っても難しい。そのためキャンプではわかりやすい単語を用いながら、トレーニングのなかで生まれた状況を例えに、その「見えないもの」を伝えていきました。

短い時間にも関わらず、スペースの認知やその使い方をプレーで表現しようとしている選手がいたことに驚きと嬉しさを感じました。
もちろん、一朝一夕で身につくことではありませんので、自チームに戻った後も意識してプレーする必要があります。普段のトレーニングとは違ったフットボールの見方を感じるのが大切です。

2セッション目は「コントロール&フィニッシュ」
1セッション目でトレーニングしたことをベースに、2セッション目はプレー精度をより高めることをテーマとしました。

コントロール&フィニッシュで強調したことは、ファーストタッチで「1v0」の状況にすること。
そのために、見方・相手・スペースを認知し、オフ・ザ・ボールからファーストタッチまでの質を高めることが大切だと強調しました。

フットボールでゴールは、最大の瞬間です。
だからこそ、シューターには最大のプレッシャーがかかります。そのプレッシャーをいかに排除して楽に足を振り抜くことができるのかを考える必要があります。

そのベストな状況がディフェンダーがいない1v0の状況です。
ゴールを決めるには単純なシュートのトレーニングではなく、オフ・ザ・ボールの時点からはじめます。

「ボールが来たから打った」ではなく「ゴールを決める形を作った」と、局面を演出するのもフットボールの楽しさの一つといえます。

28日|セレクションオンリー。「見られる環境」でパフォーマンスする

東京プラン2日目は、試合形式のセレクション。
現役スカウトの山田長太氏に、選手のパフォーマンスを評価いただきました。

『スカウトは選手の何を見ているのか? ジュニア世代から考えていきたい、フットボールの強さとは』

山田氏は魅力のある選手を「エゴイストを持っている」と表現します。一般的な利己主義とは異なり、フットボールでは自信を持って結果を出す選手だと言います。

またボールの扱いに長けていることよりも、自分の持ち味を存分にパフォーマンスしている選手の方が魅力的だとも答えました。

ボールタッチを磨くことはもちろん大切で重要です。ただ、周りから抜きん出るには「強烈な〇〇」が必要だということです。

また、セレクション前に私から選手たちに、こう伝えました。

いままでトレーニングしてきたみんなのプレーを、100%ピッチで出してほしい。
そして、みんなには「見られる環境」を感じてながらプレーしてほしい。
フットボールに限らず、これからみんなが成長していくなかで、たくさんの試験があったり、評価されたりすることがあります。これらは、みんながレベルアップするために必要なこと。
そして、こういった経験を数多く積み上げていった人は、自分の価値を高めることができます。
試合のなかで上手くいった、いかなかったがあると思いますが、大切なのは自信を持って実力を出し切ることです。
「俺のプレーを見ろよ」くらいの気持ちで挑んでください!

実際のプレーでは、選手たちが白熱したプレーを見せてくれました。
なかには緊張していて、思い通りのプレーができなかった選手もいたと思います。
それでも、果敢にプレーに参加している選手が多く見られ、短いながらも実りある時間となりました。

OSO SFLウィンターキャンプ2021-22|東京都中野区|OSO SFL

神奈川プラン|2022年1月5、6日

5日|トレーニング+セレクション。ただやらない、プレーに「こだわり」を持つこと

神奈川では二日間にわたり、トレーニング+セレクション形式のキャンプを行いました。※1、2学年はトレーニングのみ。

トレーニングではパス&コントロールとフィニッシュをテーマに実施。
参加した選手は、止める・蹴るの基本技術ができるレベルです。そのためトレーニングはスムーズに進みます。

ただ、例えひとつのパスにしても、「こだわり」を持ってやっているかで、積み重なるものは違ってきます。
パスやコントロールを単純な動作で終わらせるのではなく、「どの状況で行うアクションで、そのアクションを正確に素早く行うために行うことは?」を問い続けました。

こだわりは、技術を試合で生かすために必要な要素です。
運営で協力いただいたFC MATの志水麗権監督も、こだわりについて特に熱くコーチングしていました。

キャンプ二日目はまさかの、雪……

キャンプ二日目、3年生以上はセレクションがメインの日です。
しかし、天気予報はなんと「雪」。午前中のひんやりした空気が、雪を予感させます。

志水監督がピリリとした良い雰囲気を作り、セレクションの試合が開始。キャンプ一日目でトレーニンしたテーマも、ピッチで上手く現れ、とても質の高い内容となりました。

そして白熱した試合を演出するかのよう、サラサラと振り始めた雪。
雪が積もる前に午前中のセッションが終わり、昼休憩へ。
その間も止むことなのない雪。

とうとう積もってしまいました。

それでも元気いっぱいの選手たち! 午後は選手全員がアクティブな時間となるトレーニング内容に変更し、試合と並行して実施しました。

それでも止まぬ雪。
セッション終了時には真っ白なピッチとなっていました。

終わりのミーティング。選手たちに感想を聞くと「楽しかったー!」と大きな声で答えてくれました。
不慮の事態でしたが、選手たちにとってはフットボールと雪が楽しめたみたいです。

キャンプ終了後、「コーチ、寒い……」と言っていた選手が雪だるまを作って大はしゃぎ。
思わず「寒くないんかい!」と突っ込んでしまいました。雪の力はすごい……。

OSO SFLウィンターキャンプ2021-22|神奈川県海老名市|OSO SFL

参加いただいた選手および保護者の皆様へ

OSO SFLウィンターキャンプに参加いただいた選手、そして保護者の皆様、本当にありがとうございました!

東京、神奈川の双方で素敵な選手にたくさん会えたこと、嬉しく思います。
OSO SFLがフットボールキャンプを行う理由として:

  • 普段とは異なる刺激を選手に与える
  • フットボールの楽しみを多方面で感じさせる
  • 楽しむ・競う・高めるといった成長に欠かせないエッセンスを用意する

が挙げられます。

基本的には所属しているチームやスクールで、日々のフットボールライフを過ごしていただくなか、上記のような環境に身を置くことは重要だと考えています。

今回、小学3年生以上を対象にあえて「セレクション」要素を設けたのも、評価されるとこで「自分に挑戦する」ことの高揚や不安を体感してほしいという意図があります。

スポーツにせよ勉強にせよ、楽しいというベースからより高みを目指すためには、実力を試す場とそこに参加したいという気持ちが必要不可欠です。

このウィンターキャンプを通して学んだことが、フットボールのみならず、選手のこれからに役に立つことを願っております。

また、保護者の皆様におかれましては、年末年始のお忙しいところ、選手の送り迎えやフォローをしていただき誠にありがとうございます。

これからもOSO SFLはフットボールの楽しさや競技力向上、そして選手の様々な可能性を広げるためのイベント等を開催して参りますので、よろしくお願い致します。

OSO SFL代表
隈崎大樹


運営

東京:FC LEGAL

神奈川:FC MAT

スポンサー

THC井荻接骨院

a-happy-new-year

2022年明けましておめでとうございます! OSO SFL今年の抱負

皆様、2022年明けましておめでとうございます!
昨年は大変お世話になりました。
本年も変わりなくOSO SFL(オソ・エスエフエル)をよろしくお願い致します!!

年末年始に開催した「OSO SFLウィンターキャンプ2021-22」が先日、無事に閉幕しました。80名近い選手に参加いただき、とても素晴らしい時間となりました。OSO SFLはやっと年始の一段落が付き、遅ればせながら新年のご挨拶と筆を走らせました。

お付き合いいただいている方に、より質の高いコンテンツを提供

2021年はOSO SFLのスタートの年でした。
アクティビティではパーソナルトレーニング、フットボールクリニック・キャンプに述べ300人の選手に参加いただきました。そのなかで継続してイベントに参加いただいている選手もおり、大変嬉しく思います。

また、デザインの部分ではフットボールクラブWebサイトをはじめ、チラシや名刺といったDTPのご要望もいただき活動の幅を広げることができました。

「2022年はさらなる拡大を目指して……」

といきたいところですが、まずはすでにお付き合い頂いている方々により質の高いコンテンツを提供できるよう今一度、見直したいと思います。OSO SFLに関わることでプラスになると感じていただけるよう、頑張ります!

2022年のアクティビティリストを公開!

2022年の柱となる主要アクティビティをご紹介します! 新型コロナウィルスの状況によって柔軟に対応してまいりますが、「タラレバ」で考えてしまうと何もできなくなりますので、OSO SFLはすべてのコンテンツを全力で開催する姿勢で準備を進めてまいります!!

  1. 【春休み】スプリングキャンプ2022東京(通い型)
  2. 【夏休み】サマーキャンプ2022
  3. 【夏休み】北海道サステナイブルキャンプ(仮称)
  4. 【冬休み】ウィンターキャンプ2022-23
  5. 【時期未定】:スペインチャレンジ(仮称)

1.【春休み】スプリングキャンプ2022東京(通い型)

春休みに東京にてトレーニング+セレクション形式のキャンプを予定しています。
「OSO SFLウィンターキャンプ2021-22」のように、3年生以上は海外でプレーをしたい選手を対象に、バチバチと鎬を削るようなコンペティション形式で行いたいと思っています。

1、2年生には、ボールフィーリングを中心にフットボールの楽しさを感じてもらえるようなオーガナイズにしていきたいと予定しています。

2.【夏休み】サマーキャンプ2022

関東圏を中心に2〜3日の日程のフットボールキャンプを開催予定です。
夏休みは各国のリーグがブレイクとなり、それに伴って外国籍の監督や海外で指導している日本人を招聘できます。

2021年はスペインで監督をしている内田陽平氏を中心とした、海外で指導歴を持つ日本人指導者によるキャンプを行いました。2022年も異色の経験を持つ指導者を招聘してキャンプを開催する予定ですので、楽しみにしてください!

3.【夏休み】北海道サステナイブルキャンプ(仮称)

はじめて取り組むイベントとなります。
OSO SFL代表の隈崎が月に一度指導をしている北海道北斗市に、関東のフットボールクラブをお招きして、「フットボール」+「ワークショップ」+「アクトドア」を体験してもらうアクティビティです。

北海道には梅雨がないため夏場でも集中してフットボールができる環境あります。それだけでも選手には満喫してもらえると思いますが、このキャンプは北海道の漁業・農業(酪農)・林業といった産業を体感してもらい、自分の体を作っている食べ物がどのようにして作られており、そこに携わる人達の姿を間近で見学していただきます。また、海・川・山といった自然の豊かさや厳しさを肌で感じてもらうことも目的としています。

フットボールという体を動かす楽しさに加え、普段の生活では体験できない「命の尊さ」「自然と資源」「自然と人間」を全身に感じてもらえればと思っています。

北斗市観光協会>>

4.【冬休み】ウィンターキャンプ2022-23

冬休みでの開催となるウィンターキャンプキャンプでは、各カテゴリーの選手が1年間でどれだけ成長したかを確認する総仕上げとなっています。

ウィンターキャンプ2021-22では、現役のスカウトを招き、選手のパフォーマンスを観ていただきました。

フットボールの試合に観客は欠かせません。選手は周りから「観られる」ことで刺激を受けます。また、自身を試すこと、挑戦することはフットボールのみならず、これからの人生で幾度となく訪れます。勇気を持ってリスクを負って挑戦する厳しさや達成感を今年の2022-23キャンプでも伝えられるよう準備を進めていきたいと思います。

5.【時期未定】:スペインチャレンジ(仮称)

「OSO SFLウィンターキャンプ2021-22」にてセレクトされた選手で構成されたグループでスペインに渡り、トレーニングや試合を行います。

目的は「ショックを受ける」ことです。

日本の生活やフットボールの「常識」がスペインでは「非常識」であること。フットボールという単語・映像・光景がこれほど日常に溶け込んでいるという事実。欧州のフットボールが「すごい」理由を感じることが、選手の大きな財産になります。

スペインチャレンジに関しましては、OSO SFLと提携しているスペイン在住のスタッフと情勢を確認しながら準備している段階ですので、今しばらくお待ち下さい。

OSO SFLは活動をはじめてから1年が経ち、徐々にではありますが名前や活動が認知されるようになりました。
ここまでこれたのも、活動をサポートしていただいているクラブの皆様、そして活動に理解していただき選手を預けてくださる保護者の皆様のお陰です。
改めて感謝申し上げます。

OSO SFLは今後も「生涯にわたりフットボールと関係を持ちながら、その価値向上や経済貢献に対して活動を行う」を理念に活動してまりますので、2022年も引き続きよろしくいお願い致します。

OSO SFL代表
隈崎大樹

watching-players

スカウトは選手の何を見ているのか? ジュニア世代から考えていきたい、フットボールの強さとは

日本フットボールでは、クラブが設けたセレクションに選手が参加するケースが一般的。欧州や南米では、クラブに所属するスカウトがヴィビジョンの垣根を超えて、未来のスター発掘のために地方まで足を運ぶという。

 

スカウトの対象は高校生や大学生年代だけに限らず、小学生年代も同様。各クラブのスカウトは、地方の大会に顔を出しては光る原石を探している。

 

フットボーラーを育てるのは、指導者や保護者だけではない。もう一つ、大切な人がいる。それが「観客」だ。フットボールは見られるスポーツであり、選手は「見られている」ことを自覚し、よりうまく、魅力あふれるプレーをしようと研鑽を積む。

 

そして、クラブとパイプを持つスカウトが訪れた時、「俺のプレーを見てくれ」と、自信を持って選手はプレーに挑む。当然、スカウトが見に来る情報を事前に知ることはあまりない。選手はすべての試合でベストパフォーマンスを披露することに努めなければならない。

 

この「見られる」環境を体感してもらおうと、2021年12月28日と2022年1月5、6日、東京都と神奈川で開催するOSO SFLウィンターキャンプ2021-22を開催する。

 

キャンプ開催に当たり、当日、実際に選手を見るスカウトの山田長太氏に、選手の何を見ているのか、海外と日本の選手の違いについて話を訊いた。

 


 

――「スカウトの目に留まる」というフレーズがあります。実際、どのような選手がスカウトに強い印象を与えるのでしょうか?

 

山田 基本的なテクニックのレベルの高さは前提ですが、どのポジションもこなせるユーティリティープレーヤーより、特徴がはっきりしている選手の方が印象に残ります。

 

相手からボールを取られないキープ力、視野の広さを生かした展開、絶妙なタイミングでの裏への飛び出しなど、試合のシチュエーションのなかで「俺はこのプレーだったら誰にも負けない」というメッセージが伝わってくるような特徴です。

 

――なるほど。ポジション別でいうと具体的にどのような特徴を指しますか?

 

山田 試合のシチュエーションによって、見るべきところも変化しますが、ベースとなるポイントは以下のとおりです。

 

  • フォワード:得点力、キープ力やシュート精度、見方を活かせるポストプレー
  • サイド・ウィング:足が速い、縦への推進力がある、局面で打開できる
  • ミッドフィールダー:展開力と視野の広さ、ボールを失わないキープ力、技術力
  • センターバック:DFの対応力、足元の技術、ボール奪取後のプレー

 

フィジカル要素が強く関係する場合、個人的な戦術も駆使してプレーできているかも大切です。

例えば、縦への突破を試みる選手が、対立しているDFより足が遅い場合、オフ・ザ・ボールの段階でアドバンテージが取れるポジショニングをしているか、などです。

特にジュニア世代では、これからフィジカル要素が伸びるので、それ以外のテクニックや戦術面でうまくなろうとチャレンジしているかの姿勢が見えるかが重要です。

 

――現状と未来を総合して評価しているんですね。山田氏は欧州や南米の選手を多く見てきているわけですが、日本の選手との大きな違いは何ですか?

 

山田 決定的な違いはフィジカルの強さです。これは昔から言われていることですが、日本人選手の足元の基礎技術は、世界で見ても非常にレベルが高いです。私も実際に見て確信しています。

ただフィジカルコンタクト、特に球際が弱く、ボールロストが多い。日本人が海外で活躍する上で、フィジカル面での課題はまだまだ残っているのが現状です。

 

また、選手がトレーニングをする上で「自分の長所をとことん磨く」ことに重きを置いている印象を受けます。日本だと苦手なプレーを克服する習慣があると思います。

もちろんそれ自体は悪いことではないですが、だったら得意なことをとことんトレーニングして、周りの選手が真似できないくらいのクオリティーに持っていく

例えば、空中戦に長けている選手であれば、10回勝負したらすべてマイボールにできるくらいのレベルにする。それだけで選手自身だけでなく、チーム自体の特徴となります。

 

最後にハングリーでエゴイストな選手が海外には圧倒的に多くいます。フットボールはチームスポーツなので、戦術やチームワークは欠かせません。

ですが、海外では「個があるからこそチームとなる」という意識が強い。ディフェンダーであれば「担当するエリアに相手が侵入してきたら、絶対にボールを奪う」、フォワードであれば「ここでボールを受けたら、俺がフィニッシュする」というような強い意志があります。フットボールのエゴイストは利己主義というより、自身のプレーをはっきり表現するというニュアンスのほうが適当でしょう。

だからこそ、それができなかったときの悔しさや怒りのパワーは相当なものです。ハングリーも、単純に悔しいという感情ではなく、「俺のプレーができなかった・他の選手に奪われた」という明確な理由のもとに湧き上がる感情だと捉えています。

 

――彼らのマインドにはそういった明白な理由があったのですね。最後にウィンターキャンプでは、「いつもプレーしているポジションではなかったらどうしよう」と思っている参加選手もいると思います。やはり慣れたポジションでプレーするほうが有利なのでしょうか?

 

山田 大人の選手であれば、長年プレーしているポジションがあるので大きく影響があるでしょう。また、今回のキャンプに参加する選手の中にはプレーがしやすいポジションがあるかもしれません。

 

ただ、大切なことはどのポジションでも持ち味や自身を持ったプレーをパフォーマンスすることです。想像してほしいのは、仮にスカウトされた先のクラブで同じポジションでプレーできる保証はないということです。

 

クラブや監督によって選手に求めるプレーや戦術は千差万別です。ジュニア世代の選手は、フットボールを楽しむことが一番大切ですが、年代が上がるに連れ、プレーには「仕事」の要素が加わってきます。それはチームとして勝利を勝ち取ることが最大の目的になるプロフェッショナルな環境である証であり、選ばれた選手はそこで100%のパフォーマンスを発揮することが求められます。

 

キャンプでは、皆さんの熱いプレーが見られることを楽しみにしています。楽しくも真剣に、このキャンプでたくさんの刺激を受けてくださいね。

プロフィール
山田長太|Chouta YAMADA
1996/06/12生まれ。
2016-2018:株式会社ジェルティワールドトレーディング(代理人会社)で代理人研修(パラグアイ&スペイン)。
2018-2019:NIAGAR SUR(スペイン代理人会社)
2019-2021:shuma PTE.LTD (代理人会社)
2021-:株式会社Azul Marino を設立

OSO SFLウィンターキャンプ2021-22はコチラ

bannar-winter-camp-2021-2022

Report | OSO SFL北斗・函館プライベートクリニック

OSO SFLは2021年10月16-17日、北海道茅部郡森町にて「OSO SFL北斗・函館プライベートクリニック」を開催しました。

場所は2019年に開催した「LEVANTE U.D. CAMP HAKODATE 2019」の選手宿泊でお世話になった「グリーンピア大沼」。広大な敷地の中でのびのびとフットボールを楽しむことができました。

とにかくボールにたくさん触ってほしい

緊急事態宣言が明け、徐々にスポーツ活動も再開してきました。

OSO SFLも9月に開催予定だったフットボールクリニックが延期となったため、10月は通常のクリニックと今回のプライベートクリニックの二本立てとなりました。

プライベートクリニックにおいては、基本的な技術のトレーニングを行い、残りはすべてゲームの時間に割きました。

「本当にボールに触る機会が減ったんですよ」

クリニック開催前に、ある選手の保護者の方から聞きました。トレーニング準備中、ゴールの方に目をやると楽しそうにボールを蹴っている選手の姿が。その光景を見た瞬間、トレーニングの量を減らしゲームの時間をより多く取ろうと決めました。

当初は低学年と高学年に別けて行う予定でしたが、「くまコーチ、もっとやりたい!」とリクエストがあり、やりたい選手はすべてのセッションに参加できるようにしました。

終始ゲームを楽しむ選手たち。「楽しむことがスポーツの原点」だと、選手たちから改めて教わりました。

playing-boys-on-green

クリニック二日目にはまさかの……

今年の初雪は昨年より8日早いとニュースで報道されていました。まさかその初雪に出会うなんで。

霙混じりの雪がほんの少しの時間でしたが振りました。路面にある気温計をみると「2.9℃」。車のフロントガラスは車内が温まるまで、なかなか曇りが取れませんでした。

選手は「さみー!」とはじめは叫んでいましたが、動き出すと寒さなんてどこへやら。しまいには「暑い」といって上着を脱ぎ捨てます。そういえば自分も子供の時、真冬でも短パンでやっていた記憶が……。

今年のフットボールクリニックは11月まで。12月以降はフットサルクリニックへと移行します。それまでは積雪しないように祈るのみです!

選手のお父さんから話し手を聞いてほっこり

クリニック終了後は冷え切った体を温めるため、ホテル内の温泉へ。

そこで参加してくれた選手とバッタリ。露天風呂で団欒しました。

「寒いなかお父さんたちも大変でしたね」と私。するとあるお父さんが「俺達が子どもの時もこうやって送り迎えしてくれたから、今度は俺らがする番だ」と。

本州と違って、北海道の子どものスポーツ活動は車の送迎がないとほぼ不可能です。地域によっていろいろなスポーツとの関わり方がありますが、北海道はこうやって繋がっていくのだなと、なんだかほっこりした気持ちになりました。

10月30-31日は通常の北斗|函館フットボールクリニックを開催

プライベートクリニックが終わってからつかの間、10月30-31日(土日)は通常の北斗|函館フットボールクリニックです。

11月が外でできるギリギリの時期と考えると、フットボールクリニックは残すところ後2回! 頭も体もフル回転する内容でお届けいたしますので、是非ご参加ください。

お申し込みは下記クリニック情報のリンクから。

※12月からは室内でフットサルクリニックを行います。


協力:
グリーンピア大沼

クリニック情報:
Notice | 北斗・函館フットボールクリニックVol.3 10月30-31日開催

Report | OSO SFLサマーキャンプ2021

OSO SFLは2021年8月、神奈川県海老名市および北海道北斗市にて「OSO SFLサマーキャンプ2021」を開催しました。

ショートキャンプを含めると100名を超える選手の参加。大事なく無事にキャンプを終えることができました。

all-kanagawa

キャンプは上手くなるのではなく、上手くなる方法を学ぶ場所

キャンプのテーマは「成長し続け結果を出せる選手になれるように」。上手いと言われる選手はたくさんいますが、他者から評価されたり、チームプレーに効果的に関われる選手はそう多くはいません。

「フットボールが楽しい」というフェーズから、次のステップに上がるには大なり小なり結果が必要です。ではその結果に向けて、「一生懸命」という言葉だけを頼りに、トレーニングに励むことが正解でしょうか。

フットボールのプレーに正解はないとよく言われます。ドリブルかパスか、ショートかロングパスか、遅攻か速攻か……。ゴールまでの過程は無数です。

しかし、試合中のワンプレーごとに選手は「これが最良だ」と思えるプレーを判断して行います。つまりフットボールはこの「最良」をできるだけ短い時間で、判断し実行することの連続です。そして、より優れた「最良」を出したチームの勝率が高くなります。

スペインではその最良を出すために、あるプレーに対して概念があり、トレーニングではコンテンツを持たせ、さらにキーファクターを置きます。ざっくり置き換えると概念とは数学の公式のようなもので、変数(プレーの局面)によって結果(プレーのアクション)は異なりますが、思考の筋道は統一化されています。

キャンプではコーチが伝えたすべて吸収することや、いきなり別人のようにプレーが変わることは簡単ではありません。重要なのは、プレーに対する見方を洗練し、所属するチームで行うトレーニングで吸収できることをより多くすることです。

「上手くなるにはこうしたらどうか」

今まで感じたり考えたことがなかった新しいフットボールを見つけることが、上手くなり続けるための鍵となります。

coaching

トレーニングはスペインの選手が行っている内容と同じオーガナイズで実施

ひとつのトレーニングセッションは、1パス・ドリブル+アジリティー、2ロンド(鳥かご)、3オレアーダ(一方向の攻撃によるゲーム)、4ゲームの流れで構成されています(トレーニング名は日本語で馴染みのあるものに置き換えています)。クラブやコーチによってメニューの変化はありますが、スペインのトレーニングはこういった流れで行われます。

特徴としては、リフティングや対人パスといった反復トレーニングがないこと。理由は簡単で、試合の局面からかけ離れているからです(体を温めるためにトレーニング前に行うことはあります)。

また、トレーニング中の人の流れもローテーションされていたり、ルールが加えられたりと、はじめて体験する選手にとっては難しく感じたかもしれません。一見すると複雑で面倒くさいと思った選手もいると思いますが、見方・相手・ゴール・ボール・スペースの要素をメニューに入れることが大切。慣れてくると異なるオーガナイズでも、スムーズにトレーニングに入ることができるようになります。実際、キャンプの二日目・三日目とセッションを重ねるごとに、コーチが伝えたことを素早く理解している選手がいました。

ここで伝えたいのは、スペインのトレーニングが良いとか優れているとかではなく、幼い頃からこういったトレーニングを積み重ねる必要があるということです。キャンプに参加した選手には所属クラブに戻っても、キャンプのトレーニングを覚えていてほしいと思います。

mtg

フォローアップトレーニングでコロナで溜まったストレスを吹き飛ばす!

まず、「フォローアップトレーニング」という名前……、今考えると違う名前のほうが良かったかもしれません……。当初はゲーム祭の前に簡単なトレーニングを入れてから行う予定だったので、名前に「トレーニング」をつけました。

会場で保護者の方にお話を伺うと、コロナの影響で選手がけっこうストレスを溜めていることがわかり、急遽ゲームだけの内容にしました。思い切り学んだ後は、思い切り楽しむ! 特に低学年はとても楽しそうにボールを追っている姿が見られました。

気軽に公園に行けない、クラブの活動制限等で、選手には見えないストレスが溜まっているかと思います。ほんの束の間の時間でしたが、選手たちに開放的な時間を提供できたことを嬉しく思います。

fun

OSO SFLは歩みを止めず、これからもフットボールと共に!

緊急事態宣言の拡大によって今後、フットボールの活動に強い制限がかけられることが予想されます。もちろん、安全を考慮しなければなりません。

一方で、フットボールがもたらす楽しさ、活力、そして心身の健康もまた、できる範囲で維持させることもの重要です。OSO SFLはできる範囲で、フットボールが選手のそばにあるようこれからも取り組んで参りますので、よろしくお願いいたします!

また、今回のキャンプでは保護者の皆様から多大なご協力・ご理解いただきましたことに、改めて御礼申し上げます。

OSO SFL
代表|隈崎大樹

all-hokkaido
神奈川キャンプ
北海道キャンプ


協力:
北斗スポーツクラブNOSS
FC MAT

キャンプサイト:
OSO SFLサマーキャンプ2021(募集は終了しています)

Report | 北斗・函館フットボールクリニックvol.2

6月の第1回クリニックから2週間。あっという間に北斗|函館フットボールクリニックvol.2の開催です。この2週間を経て、子どもたちは変化しているのか、ワクワクしながら飛行機に飛び乗りました。

今回は寒かった……。子どもたちは元気いっぱい!

前乗りした日から霧雨の渡島。「(あ、こっちの6月ってこんな天気だった……)」。すっかり忘れていました。前回はまだ寒いだろうと思って、防寒ウェアをしっかり準備しましたがまったくの用無し。そのため今回はかなりの軽装で来てしまいました。寒い。

hakodate-sta
函館駅の上空はどんよりした雨雲

クリニック当日。朝露で濡れている芝でトレーニングの準備をしていると「くまこーちー! おはよーございまーす!」。大きな声で子どもたちが元気いっぱいに挨拶してくれます。この瞬間がとても嬉しいです。その後は皆でゴールを組み立てて運びます。普段のチーム活動の成果が現れる瞬間です。

moving-goal
後から来ている仲間を見つけると足が止まります

低学年|突破のドリブル・レガテ

低学年のテーマは突破のドリブル「レガテ」です。日本語で「フェイント」を意味するので、子どもたちにとってもイメージが掴みやすいドリブルとなります。

突破のドリブルとなると足元の技術に目が行きがちですが、それは一つの選択肢。ですから、どれだけ足元が上手い選手でも、ドリブル一択だとディフェンスラインの突破は困難になります。

アナリティクスからはじめても良いが、インテグラルなトレーニングに移行すること

コーディネーションを終え、トレーニングはアナリティクス(反復系)のドリブルへ。実践的なインテグラルトレーニングからスタートするのは、それはそれでありです。子どもたちのレベルやグループ内でのレベル差を加味して、アナリティクストレーニングを取り入れることはとても効果的です。

ただ、私が意識していることとして、トレーニングは試合でのパフォーマンスを上げるために実施するものなので、アナリティクスではじめても、最終的にはインテグラルなオーガナイズにシフトしています。多くのフットボールクラブが最後のセッションで試合(インテグラル)を取り入れていると思います。その場合、アナリティクストレーニングからいきなり試合にするのではなく、その変化を緩やかにすることで、子どもたちはその日のトレーニングテーマを上手く咀嚼できると考えています(カテゴリーやレベルによってはこれに限りません)。今回のレガテでも、ボールタッチの確認から、徐々に試合で起こる状況を切り取ったオーガナイズで実施しました。

dribbling-boy

フェイントは足技だけではなく、認知することでも発生する

実践的なドリブルのトレーニングは、2v1のオーガナイズからだと考えています。もちろん1v1でもよいのですが、オフェンスの選手はつねに「パス」と「ドリブル」の選択肢を持つ必要があります。そのため、ボールホルダーにディフェンスがついているか、又はサポートについているかの状況下でプレーするのが「普通」にならなくてはなりません。

パスかドリブルの二択を土台に、ボールホルダーはドリブルのコースや体の向きを変えるだけでもディフェンダーの意識や視線にフェイントをかけることができます。ボールホルダーが周りを認知するだけで、相手を突破する成功率はグンと上がるのです。

ディフェンスにとって「パスなのか、ドリブルなのか最後までわからない」。この状態をオフェンスは発生させることが重要です。

中・高学年|三種類のドリブル

中・高学年は前回に引き続き3種類のドリブルをテーマに実施しました。まずはコーディネーションとともにボールタッチの確認から。初日の昼頃から雨が降り出してきましたが、子どもたちは何のその。真剣にボールを追っていました。

in-rain

発生するスペースと消滅するスペースを探しながらドリブルを行う

スペースはボールや選手と異なり、目には見えません。さらに状況によって様々な変化があるため、認知するのは簡単ではありません。しかし、スペースを意識したトレーニングを継続して行うことで、スペースの発生と消滅の認知や予測ができるようになります。

シンプルな例として、2v1の状況が挙げられます。2人のオフェンスが1人のディフェンスを突破するトレーニングです。ボールホルダーはドリブルでパスかドリブルを判断してプレーを続けます。この時、ボールホルダーの目の前にディフェンダーがいれば、ドリブルを行うスペースは消滅、反対に味方の前にはスペースが発生します。この場合、ボールホルダーが決定するプレーとして成功が高いのは、パスです。広い方がボールを扱いやすいからです。

このように言うと、とても簡単な理屈ですが、実際にプレーしてみるとなかなか難しいものです。スペースの発生と消滅は刻一刻と変化します。そのため認知しながらプレーをするのは、選手にとってかなりのストレスとなります。ですが、スペースを味方につけた選手ほど、魅力的なプレーができるのも確かです。

ボールを持った選手が固まって動かない。訳を聞くと……。

出来事はポゼッションをしている時に起きました。私からの配給を受け取ったある子どもが、相手と対峙しながら動かくなってしまったのです。それはまるで時が止まったようで、周りの子どもたちもびっくり。一旦止めてどうしたのかと聞くと、「あっちにパスしようとしたけど近くに相手がいるから、反対を見たらスペースがあってドリブルができると思って……」。どうやら頭で考えすぎて動けなくなってしまったよう。

その時はプレーをするように促しトレーニングは続けられましたが、指導をしながら内心は「(話してくれたことを一生懸命理解しようとしてくれてありがとう!)」とかなり嬉しかったです。教えたことをプレーで表現してくれることも嬉しいですが、こうやって頭で理解しようと努力してくれることも同じくらい嬉しいです。

そして、あまり発言しない子でも、頭の中で色々な事を考えている。「話ができない=理解してない」ではないのだと、改めて反省しました。今後は子どもの表情や仕草をより深く観察していきたいと思います。

talking
大人が話している時、子どもはたっくさん想像している

次回はOSO SFLサマーキャンプ!

8月のクリニックはお休みです。代わりに8月21日、22日(土日)に、OSO SFLサマーキャンプ北海道を開催します。当キャンプではスペインで指導している日本人指導者とともに、かなり濃い内容のトレーニングを行っていきますので、ぜひご参加ください!

次回のクリニックは9月11日、12日(土日)の予定です。


協力:北斗スポーツクラブNOSS

キャンプサイト:OSO SFLサマーキャンプ2021

Report | 北斗・函館フットボールクリニックvol.1

5月から開催予定だった「北斗|函館フットボールクリニック」。緊急事態宣言を受け、解除後の6月に開催日を移動して無事、実施しました。

今回から小学生の学年を三つに別け、各グループ用に年間指導プランを作成しました。当日はトレセンで参加できない学年があったため、変則的に低学年と高学年の2グループで実施しました。

最高の天然芝! だけど暑かった

会場は北海道北斗市にある北斗市運動公園多目的広場。体育館・陸行競技場・フットボール×2面・パークゴルフ場・野球場と、広大な敷地の中に様々なスポーツが楽しめる環境が整っています。会場から数百メールに海が広がり、時々潮風の匂いを感じます。

二日間とも綺麗な青空が広がり、まさにスポーツ日和! と思っていましたが、あつい、暑い!! 聞くとクリニック前日までは涼しかったようですが、当日は打って変わって夏の北海道となったようです。子どもたちも「あぢーっ!」と顔を赤くしていました。幸い会場のピッチは天然芝だったので、地面に熱はたまらず快適にボールを蹴らせることができました。

hokutoshi-undo-koen-tanokuteki
drinkng

低学年|運ぶドリブル・コンドゥクシオン

低学年のテーマは運ぶドリブル「コンドゥクシオン」です。日本語で「運転」を意味するこのドリブルは、様々な場面で使われます。

はじめはボールフィーリングを中心に、タッチによってボールがどのように転がるのかを確認するトレーニングから。細かく触ることが運ぶドリブルの基本ですが、さらに細かな部分にこだわることで、選手独自のタッチができてきます。

dribble

単純なコーンドリブルも工夫次第で生きた技術の習得ができる

ドリブルの代表的トレーニングであるコーンドリブル。アナリティクストレーニングといわれる反復・ドリルの形式です。小学低学年では、ボールフィーリングの基礎を定着するために行っても良いと思います。ただ、ドリブルがプレーの目的になってしまわないように注意します。

行ったドリブルは選手を前にコーンを2〜3本置き、コーンの前でフェイントをしたり、周りを回ったりして往復するものです。ここに、一工夫を入れます。

例えば、ドリブルするレーンを4列設けて、選手はどのレーンでも自由に通過することができるようにします。さらに、先の選手が通過したコーンに他の選手は通過できず、未だ誰も通過していないところを進む、というルールです。こうすることで、選手は通過できるドリブルコースとそうでないコースを把握する必要が出てきます。

運ぶドリブルを行うにあたって、ボールを持つ選手は自身やチームを有利な状況にしていくことが大切です。そのためには「ドリブル(ボールタッチ)がうまくいった」ではなく「ドリブル(有利な状況にボールを運ぶ)ができた」という認識が試合の中で生きてきます。トレーニングの最後に行ったゲームでも時々、選手を止めて「どこのスペースが大きく(広く)なっているかな?」「ボールを持った選手の目の前のスペースはどうなってきている?」といった問いかけを行いながら、運ぶドリブルの使い所について確認しました。

最後のゲームは選手vsコーチ!

今回は時間が多く取れたため、トレーニングの最後は選手vsコーチで試合を行いました。前進でチャージに来る選手、思い切りスライディングにくる選手……、かなりのプレッシャーに足首が持っていかれそうになりました。

二日間のリーグ形式で行われたゲーム。選手たちより長いプレー経験を見せつけるべく、最後はしっかりと勝たせていただきました! 7月のフットボールクリニックでも時間があればやりたいと思うので、是非くまコーチに勝ってください!!

高学年|三種類のドリブル

高学年は3種類のドリブルをテーマに実施しました。

相手を抜き去る突破のドリブル

「突破のドリブル」。相手と対峙した時に抜きにかかるドリブル。

意図的にある場所にボールを運ぶドリブル

「運ぶドリブル」。相手に向かってドリブルをするのではなく、「ある場所に目的を持ってボールを運ぶ」こと。

ボールを絶対取られない守るドリブル

「守るドリブル」。最大の目的はボールを失わない。パスコースがない、プレッシャーが強い、スペースが減少している、そんな時にボールを死守するドリブル。

味方がいて、相手がいるから生まれる選択肢がフェイントになる

二日間を通して2対1のトレーニングをベースに行いました。もちろん1vs1も大切なのですが、実際の試合でボールを持った選手がドリブルを行う際、認知すべきことは「味方」「相手」「スペース」「ゴール」「ボール」です。この中でもドリブルでは「味方」「相手」「スペース」が重要です。

相手を抜くにせよ、ボールを運ぶにせよ、スペースがなければ成功率は低くなります。また、ディフェンダーにとって選択肢をたくさん持った(持っているような)オフェンスは、守備の判断を鈍らせます。つまり、ボールを持った選手が常にまわりの状況を認知する事自体、ひとつのフェイントの効果となります。

トレーニングはシンプルです。コーンの真ん中にディフェンスを立たせ、そのオーガナイズを三箇所作ります。オフェンスの2人はそのディフェンス(ライン)を三箇所突破し、フィニッシュします。

リアリティーを出すために、抜かれたディフェンスは後追いできるようにします。こうすることで、ディフェンスを抜いた後もプレースピードを落とさない、ボールを前進することでプレッシャーが強くなる状況を作り出しています。

トレーニングのはじめは、ボールを持った選手がどちらのサイドにボールを運ぶかはっきりしていない、またはドリブルのスピードが遅い、という原因でなかなかフィニッシュに持ち込むことはできませんでした。何度かフリーズをかけ、プレーを修正していくことで、選手たちは徐々にフィニッシュまで行けるようになり、駆け引きの楽しさを感じていました。

高学年でもアナリティクストレーニングは大切です。ただし、それはプレーを円滑に進めるために必要な準備だと選手と指導者が理解する必要があります。

クリニックはまだ始まったばかり。継続することで、選手たちはインテグラルなトレーニングでもすぐに馴染むことができるようになると信じています。私も選手の成長に負けないよう、全力でインプット&アウトプットしていきます!

game

協力:北斗スポーツクラブNOSS

キャンプサイト:OSO SFLサマーキャンプ2021

Blog | 北海道北斗・函館の選手へ。私が故郷でフットボールクリニックをやる理由

今年3月からスタートした「フットボールクリニック北斗・函館」。北斗スポーツクラブNOSSさんのご協力を得て、継続的に開催しているこのクリニックですが、主催の隈崎(くまさき)がなぜ故郷にこだわるのかをご説明します。

自分には選択肢がたくさんある。それに気がついてほしい!

いきなりフットボールから話がそれますが、私は海外に行くお金を貯めるために、2年間ほど東京の学習塾でバイトをしていました。

中学生3年生を受け持っていて、彼らは受験に向けて一生懸命勉強に取り組んでいました。ある日、彼らが塾に来ると机の上にドーンと大きな本を置きました。それは、首都圏の高校の情報が載った受験案内の本。約1,500ページに渡って掲載されている高校から、彼らは志望校を決めなくてはなりません。

「あれっ、俺の時ってA4のプリントに市内の公立と私立の高校名があって、そこから2つ選ぶだけったような……。」

今の北斗・函館の中学校では違う形式で志望校を決めるかもしれません。インターネットの普及もあり、上記に挙げたようなギャップはないかもしれません。

それでもきっと、自分の意志で選択する回数や選択肢の数はそれほど多くないと思っています。

環境を諦める理由にしないで、情報を集める習慣を。

だからといって、住んでいる環境を理由に、自分の可能性を限定する必要はありません。

先程の受験の話であれば、今やインターネットで興味のある学校情報は、探せば探すほど出てきます。受験勉強の方法だって『YouTube』で優良な無料コンテンツが溢れています。

情報が来るのを待っているのではなく、自ら探して取捨選択し必要なものを取り入れていく習慣が大切です。

フットボールクリニックはイベント全体を通して、選択することを大切にしています。

このフットボールクリニックは、選択する大切さを大きく二つの種類で訴求しています。

一つはフットボールというスポーツのなかで選択すること。

フットボールは「社会の縮図」と言われるほど、社会性に通ずるスポーツです。そして、ピッチのなかでプレーをするのは選手ですので、自ら考え動くことで、フットボールの楽しさや本質を感じることができます。人(指導者)から言われたことをそのままするスポーツではありません。

ですが、自ら考えてプレーをするには、フットボールの理論を学び、体系的なトレーニングを積み重ねなければなりません。例えば、小学校低学年に多い「団子サッカー」。ボールに味方・相手が集まりにっちもさっちも行かない現象ですが、ここから徐々にフットボールに近づけるには、多くの事を学ぶ必要があります。「ゴールが向き合って置いてあるから、攻撃と守備に方向ができる」「ゴールに近づくほど、どこのスペースが広くなって・狭くなっているか」「目の前に相手がたくさんいたら、他の場所ではどんなことが起きているのか」……。単に「走れ」「声を出せ」「周りを見ろ」では、チーム(社会)のなかで力を発揮できる選手に成長しづらくなってしまいます。

そのためクリニックでは選手が考え選択を持ったプレーができるように、フットボールの原理原則を取り入れた体系的な指導プランのもと実施しています。

もう一つは自チーム外のクリニックを通して、選手の視野を広げること。

私はこのクリニックを良い意味で「異物」だと、選手に感じてほしいと思っています。

「なんだこの人?」
「スペインのフットボールってなに?」
「南米に行ったことあるの?」

選手にはたくさんの「?」を感じ、好奇心を持ってもらえるよう、あえて意識しています。普段の環境の外側に目線を移させるが狙いです。興味を持ってくれた選手の中で、「○○をやってみたい」と行動意欲が出てきてくれれば、このクリニックの価値が高まったといえます。

何か目標ができた時、環境を変えることは簡単ではありません。しかし、それは絶対に不可能ではなく、できるだけ早い段階で自らが行動できることによって、実現できる可能性が高くなることを知ってほしいです。

「フットボールで○○になった!」と言えるように。

フットボールを人生を豊かにするツールとして

私は29歳まで、結果を求める競技スポーツのフットボールと向き合ってきました。

そのなかで技術の向上をはじめ、語学を習得したり、世界中で友達ができたりと多くのことを学び得てきました。ときには挫折をして、「フットボールなんて!」と思ったこともありました。

現役を退いた後も、色々な人とフットボールを通して繋がっています。

繋がった人は人生の財産です。「ボール一つあれば」とよく言われますが、一緒にプレーをすることですぐに友達になれるのは、フットボールの大きな魅力です。

つまり、フットボールは「人を繋げる力」「自分を成長させてくれる力」を持った素晴らしいツール。あえて「ツール(道具)」と書いたのは、フットボールは誰でも気楽にできるスポーツで、すべての人が転がるボールの恩恵を受けられるからです。

私ははじめに「競技スポーツ」と書いていますが、本来は競技やエンジョイといった枠組みはなく、誰にでも平等にできるのがフットボールだと信じています。

「フットボールで友達ができた!」とか「フットボールで海外に興味を持った!」のように、このスポーツの存在で人生がより豊かになる。そのサポートを私は故郷にできたらと思い、活動しています。